人口減少対策部会 日帰り視察研修:串原奥矢作森林塾

2015年06月01日 15:41

5月31日(日)に人口減少対策部会メンバーは串原のNPO法人 奥矢作森林塾 へ視察に出かけました。

 

数年前、三郷町であんじゃないの家の改修工事講座を開催する際に奥矢作森林塾から色々学ぶことがあり、あんじゃないの家の関係者は塾にそれ以来大変お世話になっていますが、部会として奥矢作森林塾の活動をまだご存知ない方が多くみえたので再度正式に視察して刺激をいただく機会を得ました。

 

下:大島塾長。今年で役を退かれますが、とてもエネルギッシュで行動派な方です。

まずは足早に奥矢作森林塾の活動内容を奥矢作レクリエーションセンター内で視聴しました。平成12年の豪雨で矢作ダムが流木や土砂で溢れて大変な災害が起きたことで大島さんは荒れ果てた山林問題と山の再生・そしてそこで自然との共存について真剣に向き合うことになりました。まずはダムに溜まってしまった流木をただゴミとして処理するのではなく、60㎥分の流木を炭化する大型の炭化窯を作り、価値が全くなかった流木を貴重な資源に変えました。炭だけではなく、木酢や軽油農機具などに使用できる軽油も生産できるうえ、河川の水質浄化にも炭化された流木は役立つそうです。このようにマイナスな課題を大島さん達はいろいろな画期的なアイディアを出し合い、プラスな結果になるよう実行に移しました。

 

下:大きな炭焼き窯

また、人口減少対策として国内ではいち早く古民家リフォーム講座を毎年1年を通し開催し、県外から講座生を集めては串原の良さを知ってもらい、そして空き家の住民(もしくは他の恵那エリアの住民)になってもらうWin-Winシチュエーションを築き上げました。串原・上矢作地域で50件近くあった空き家の数を2,3件まで減らしている驚異的な実績があります。

 

その他にも里山(田舎)体験プログラム実施、間伐材を資源に変える気の駅プロジェクト、里山ボランティアの日、カヌー教室、援農組合が援農隊として移住者に農業を教えるシステムなどなど、見習いたいアイディアを沢山実行されています。

 

このように、「串原は山しかない地域」という発想を「山があるからできることをしよう」というポジティブ観点に転換できる敏腕の持ち主の大島さん率いる奥矢作森林塾は紛れもなくまちづくりや地域発展に貢献しており、地域には重要な団体です。

 

お話は面白いので1日中聞いていても時間が足りないのですが、せっかく現地まで来たので実践した企画の成果を見いくつか見せて頂きました。

 

まずは開かずの郷土館だった「郷之驛」(さとのえき)。

ただ古民具を置くスペースだと誰も足を運ばないという課題の解決法として、カフェを設置したりここで毎週日曜日何らかの田舎体験イベントを行っています。私たちが訪れる数時間前はここで餅つき体験をされていたそうです。建物は重量文化財のため、室内では釘を使うことや火を扱うことができないそうですが、それに対応できる工事作業を行ったり、カフェのキッチンエリアではガスを使わずIHで調理できるよう勘考していました。また、天井から煤(すす)が落ちてくるので竹を使用して煤除けを作られたそうです。

 

左下:立派な木造梁が目をひきます。

右下:カフェキッチン

下:馬小屋だった部屋は展示室に、玄関からは広い土間部分にカフェエリアが設置されています

下:古民具と共に昔の風景写真が展示されていました

 

2件目は空き家リフォーム第1弾の物件だった場所、通称「お屋敷」へお邪魔しました。昔は岩村城へ紙を献上していたこの地域では力のあった庄屋の屋敷だったそうで、家の前の門には部屋が2つもついていました。現在は東京から移住された陶芸家が住居兼アトリエ・ショールームとして趣向の良い空間となっています。

下:大島さんにリフォームの話などを聞く部会員

奥矢作森林塾は何度足を運んでも毎度新しい発想や活動を紹介していただける、とても尊敬できるまちづくり団体です。まちづくりの活動に興味がある方でまだ伺ったことのない方は是非お勧めです。

 

大島塾長、奥矢作森林塾スタッフの皆様、貴重なお時間ありがとうございました!

 

 

スライドショー (小さい画像をクリックすると大きくなります)

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