「鳥の道を越えて」ドキュメンタリー映画上映会

2015年07月09日 14:54

皆さんは霞網猟(かすみあみりょう)というものをご存知ですか?

 

海のない山間地方では、貴重なタンパク資源や酒肴として仕掛けたかすみ網で渡り鳥を捕る食文化が昔存在していました。三郷町にもかすみ網を張った場所で待機・寝泊りする鳥屋(とや)が結構あったそうです。東濃地方、富山・福井県あたりが一番盛んだったと聞きます。その当時を知る方達のお話を聞くと、少年のように目を輝かせながら美味しかった鳥の丸焼きや鳥屋で寝泊まりした話などを楽しそうにされていました。

 

約70年前にさまざまな理由で鳥愛護団体やGHQにより霞網猟の禁止令が出され、また時代背景では次第に食の流通整備が日本中整ってきたためツグミなどの渡り鳥の丸焼きは山間部地域の食卓から徐々に姿を消しました。現在はかすみ網を保持しているだけで銃を持っているのと同罪だそうです。

 

今は幻となってしまった霞網猟文化を題材としたドキュメンタリー映画。製作された今井監督は近隣の東白川村出身で、祖父から山と山の間に昔よく見た鳥の道の話を聞き、それがどういうものなのか分からないところからドキュメンタリーは始まります。かすみ網猟文化や渡り鳥の生態を丁重に調べ歩く監督の思いは純粋な好奇心だけでなく、祖父と共有できる大切な記録・記憶を作りたいというおじいちゃん思いで人情味のあるドキュメンタリーでもあります。昨年度「鳥の道を越えて」は日本各地で上映され、文化庁映画賞や科学技術映像祭の内閣総理大臣賞など数々の賞を受賞されました。

 

そんな貴重なドキュメンタリー映画をリレー式で恵那市各地で無料上映することになりました。まずは8月22日(土)三郷町からスタートし、他には飯地町中野方町、そして恵那共同福祉会館 恵那市消防防災センターで上映予定です。三郷町では午前と午後の部、2回の上映があります。午前の部の後には今井監督との座談会が予定されています。

 

ご興味・お時間のある方は三郷コミュニティセンター、またはいずれかの上映会場まで是非足をお運びください。


 

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