機織り機修繕作業 第1弾: 初めて機織り機と向かう

2015年06月22日 15:30

あんじゃないの家の2階には昔の古農民具が結構あります。まだきちんとした展示場にはなっていませんが、色々なところから昔の生活に使用されていたものが集まり、今では2階はもので溢れています。

 

その中には大きな機織り機や糸巻き器など、機織りに必要な器材も多くあることを機織りに詳しい地元のIさんに相談したところ、まだ機織り機の本体はしっかりとしているのにただ無造作に展示するだけだともったいないので、Iさんが教育文化部会長Oさんと機織り機の修復作業を始めることになりました。少しずつですが、徐々に展示するだけの空間から体験していただける空間へと変化が起き始めています。

 

下:機織り機は山地によりサイズや使い方が微妙に違うのだそう。左の機織り機は三重県のもので、右奥のものとは少し大きさが違う。

Iさんは他の地域の機織り工房で本格的に機織り活動を行っている方です。今回も機織り機に必要な機材の修復方法や購入しなければいけない材料などをきちんと調べてきてみえました。

できれば機織り文化を次の世代につなぎたい、そのためには人材育成までできればやりたいと機織りに対する信念をIさんはお持ちです。色々な大人事情ですぐに事業がスタートするわけではありませんが、とりあえず今できることは少しずつ機織り機材を修復し、織物が織れるところまでの状況にしようと現在の目標を決めました。機織りを始める前には糸を染めたり巻いたりすることも必要で、やらなければいけない作業が沢山待っています。

 

下:糸巻き器の破れ切れたたわら糸のかわりに麻糸で構造を補強しなおします。古い布糸は麻糸を編み込む過程で外しました。

下:外では壊れた糸巻き器の足場を他の木材と取り替えました。

下:昔の木工は金属の釘や金属物、そして接着剤はほとんど使われていませんでした。ほぞとほぞ穴の組み合わせでなりたっています。解体するときはかなずちなどでほぞ穴からほぞを叩き出し、新しい木材の部品と取り替えます。ここの写真にある小さな穴には爪楊枝より少し太い木の枝が使用されていました。古い木材の代わりに竹串を短く切って代用しました。

そして蔵の中にあった昔のお弁当箱を糸や小さな機織り道具を入れる器に使用できるということで、お弁当箱を丁寧に洗いました。今の時代、捨てることや壊すことは当たり前となってしまいましたが、このように昔の物を再利用できる機会があればあんじゃないの家も喜んでくれるのではないかなと思います。

作業はまだまだ続きますが今回はここまで。

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