こんにゃくは作りたてが最高!

2015年12月14日 15:41

先日12月13日(日)あんじゃないの家でこんにゃく作りを行いました。

 

講師は飯地町からお見えになった山口先生たち。参加者は町内外から17名+子供6名、今月で1歳になる赤ちゃんからシニアの方まで幅広い年齢層が集まりました。ほとんどの方がこんにゃくを作るのは初めてです。

 

上矢作産のこんにゃく芋9キロをまずは水洗いし、土や汚れを落とします。今回は時間短縮の為、参加者が来場される前に芋洗いと芋を煮る作業はイベント開始前にスタッフで行いましたが、早く来場された参加者にもお手伝いをお願いしました。芋の大きさは大きくて拳2つ分以上の3年ものや、もう少し小さめのがありました。芋に火が通りやすくするため、大きい芋は適度に切り小さくしました。外では男性スタッフが薪を用意し、釜で湯を沸かす準備をしました。

参加者が集まったところで、少しずつこんにゃく芋に火が通ってきました。すっとお箸や竹串などが刺さればOKです。9キロ分の芋を煮るのは思った以上に時間がかかります。

茹で上がった芋を徐々に参加者の方へ運び、根が出ている部分を包丁でくり採った後、こんにゃく芋を水につけながら手で皮をむいていただきました。皮はツルンと取れるそうです。

皮をむき終えたあとはミキサーに入るほどの大きさに芋を切り、1キロずつ量ります。1キロに対して2ℓの水や水で溶かした精製ソーダ(擬涸剤)50gの分量が決まっているので1キロずつ芋を分けます。

ご用意したミキサーが小さめだったため、1キロの芋を何回かに分け、ミキサーに水を適度に入れながら1分ほどかけます。ミキサーから芋糊を他の器に移し、残りの芋と水を同じようにミキサーにかけます。1キロ分の芋に対して水の分量が決まっているので芋をミキサーに入れる割合と同じ割合の水を目分量でミキサーに入れるのが至難の業でした。どうしても最初と最後にミキサーにかけた芋糊のねばり度に違いが出ますが、こればかりはご愛嬌です。

下:ミキサーに一分かけて取り出した芋糊。白くて粘り気があります!

1キロ分の芋と水をミキサーにかけ終えたら、水に溶かした精製ソーダを芋糊に入れ、素早く泡立て器で全体に混ぜます。擬涸剤を入れた瞬間入れた瞬間、こんにゃく独特のにおいがしてきました。

その後は手で芋糊をまんべんなく混ぜます。どのくらい混ぜるのかまでは聞き取れませんでした…。

大人たちの作業を見ているばかりじゃ子供たちも飽きてしまうので、お絵かきしていたり、外で遊んでいただきました。今回はパパさん達が数名参加されており、ママさんと交代で子供たちの面倒を見ていました。何とも微笑ましい光景です。パパさんの一人は「1日子供と過ごして奥さんの日々の大変さが少しだけ分かった」とコメントされました。パパサポーター、これからも頑張ってお子さんと向き合う時間を大切にしてください。

全ての芋を混ぜ終えたら、1時間以上ねかします。最初にミキサーにかけた時より、芋糊の色が濃くなってきました。この間に昼食をとりました。今回は山岡のおばあちゃん市のおかず沢山のお弁当を頂きました。美味しかったです。

食後は市内のサロンで認知症防止の運動を教えていらっしゃる水野先生にストレッチ体操やボケ防止の運動を教えていただきました。左右違う動きをすることでだいぶ脳が刺激されるのが分かりました。こういった運動は高齢者だけでなく、成人や子供達までも楽しくできました。そして「意外と難しい」といった声が聞こえてきたり、動きが怪しい方がいたりと面白がりながら時間が過ぎていきました。体操後はこんにゃくに関する質問タイムを設けました。

その後、芋糊を丸める準備ができたので一度皆さんに外へ出ていただきました。裏庭では湯が沸けていたのでそちらで先生方にこんにゃくを丸めてお湯の中に入れるお手本を見せて頂きました。写真ではわかりにくいですが、お湯の湯気だけでなく、焚きものの煙も一緒に釜の辺り広がり、燻りに慣れていない方は涙目になっていました。

こんにゃくの丸め方は、まず手を軽く水で濡らし、優しくこんにゃく糊を片手分すくいます。そして軽くにぎりながら大体の形を作り、そのあとは表面を優しくなで、滑らかに仕上げます。この時水をつけすぎるとこんにゃくの破片がはがれてしまったり、水が足りないとヒビができてしまうので、何度も挑戦して上達してコツを覚えます。参加者の皆さんはとても上手にテンポよく、丸いこんにゃくを作ってはお鍋やお釜に入れました。

お湯に丸めたこんにゃくを入れたら、こんにゃくが固くなるのを15~20分程待ちます。

下:外のお釜もフル活用。こんにゃくらしくなってきました。

そして試しに一玉お湯からあげ、中まで火が通ってるか確認してみました。バッチシです!早速、切っていただき味見をしてみました。醤油がなくてもシンプルなお芋の甘味がして触感もフンワリ、プルップルしていました。こんにゃく独特の匂いはほとんどなく、美味!最高です。

通常だとこんにゃくの美味しさを増すために、茹で上がった後もこんにゃくは茹で汁に入れたまま一晩おいておくそうです。今回は時間が無くなってしまったので、少しずつ出来上がったものをお湯から取りだし、参加者がお持ち帰りできるようお水で冷やしました。

作業後は地元の方お手製のからすみ3種とお茶で一服。立ち仕事が長かったので、甘いからすみは気分転換に最適でした。子供たちも喜んで食べていました。

器材が小さかったり足りていなかったり、進行が少々足踏みする場面もあり参加者に時折ご迷惑をおかけしてしまいました。それでも終始笑顔でイベントを楽しんでいただけた参加者や先生方に感謝します。スタッフの方々もご苦労様でした。皆様、ご参加ありがとうございました!

 

<スライドショー>

 

 

<追伸>

こんにゃく作りのイベントの準備をしている最中に、こんな記事を目にしました。

メタボ大国アメリカで大絶賛されている日本の“ある食品”

 

”ある食品”とは、まさにこんにゃくだったのです。

目を疑いました。なぜなら、悪魔の舌という代名詞を持つほど欧米では変なもの扱いされていたから。記事にも在日留学生の方に試食してもらっても、口から吐き出す始末だったとか。

 

しかし、記事を読んでいくうちにこんにゃく業者さんはじめ「群馬県こんにゃく海外戦略研究会」が諦めず研究を重ね勘考し、海外の人の口に合うよう工夫を重ねて見た目を変えパスタや炒め用ライスとして売り出したら、健康に敏感なアメリカ人に爆発的に人気が出たそうです。こんにゃくは植物性でカロリーが低く、グルテンフリーという夢みたいな食べ物だとひたすら説明をした結果だそうです。調べてみると、商品名も"Miracle Noodle"、 "Miracle Rice"とミラクル(奇跡)を堂々とつけたほど。他の商品名には"Diet"(ダイエット)がついていますが、あまり個人的に魅かれないのはなぜでしょうか…。

今年の夏にミラノで開催された国際博覧会やフランスでも今やこんにゃくが何でできているか知らなくても「健康食で美容に良い」ということが伝わり、注目の食品となりました。読み方も海外の人が読みやすいよう、このごろはkonjac(jは黙字っぽい「ヤ」と発音)と欧米化されています。形や味付けが和食とはかけ離れたものになっても日本の食品が世界に認められるのは嬉しいですね。こんにゃくの国内消費が減っている中、こんにゃくが新しい形で日本に逆輸入され、日本でももっとこんにゃくの良さを若い世代に知っていただければ…なんて可能性もあるかもしれません。

 

それでも今回思うことは、こんにゃくは手作り最っ高!

 

p.s.書き終わろうと思っていたら、廊下向かいの調理室から何かをペンペンと叩く音がしてきたので覗いて見ると、なんとこちらでもこんにゃくを作っていらっしゃいました。こちらはこんにゃくを丸めるのではなく、バットに芋糊を流し入れ、空気を抜くためペンペンと一生懸命叩いていらっしゃったところでした。今はこんにゃくシーズンなので、しばらくこんにゃくの話に花が咲きそうです。

 

 

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