ふるさと活性化協力隊研修@岐阜県立森林文化アカデミー

2014年08月01日 16:36

こんにちは、三郷町ふるさと活性化協力隊員のmeganeです。

いつもは三郷町での出来事を掲載していますが、今回は少し協力隊としての活動を紹介したいと思います。

 

数日前、岐阜県が県内付近で活動している地域おこし協力隊とふるさと活性化協力隊初任者のためのスキルアップ研修を美濃加茂にある森林文化アカデミーで行われました。恵那市からは地域おこし協力隊1名とふるさと活性化協力隊4名(私含め)、そしてOB兼講師1名と市の担当者1名、合計7名が参加しました。恵那市は他の地域と比べ協力隊の数が多いので、かなりまちづくりに力を入れているということが伺えました。

 

森林文化センターは森や木に関わりたい人材を育成する公立の専門学校です。設計は北川原温建築都市研究所により2001年に完成されたそうです。間伐材をふんだんに使用した木造施設で、敷地内に地形を生かしながらいくつもの建物が分散され、フォレストウォークという歩道でつながれています。残念ながら時間がなく研修があった建物全体も見る余裕がありませんでしたが、どこを見てもわくわくする空間でした。個人的には恵那市には腕の良い職人さんが沢山いると思うので、在来のものではなく、もっと「お!」っと思わせてくれるコンテンポラリーな作品が増えると良いな~と願っています。

 

さて、本題に戻りましょう。

午前中は座学研修という名目で、前半は「過疎地域への人的支援制度のねらいとこれまでの実施状況」、そして後半は「地域おこし協力隊の活動体験と定住後の活動ビジョン」について講師やOB、現・地域おこし協力隊の方々がお話しされました。聞いていて感じたことは、過疎地域(中山間地域)が抱えている問題は日本全国ほぼ似ているということ。過疎地域の大小や歴史などは違うかもしれないけれど、人口減少に始まり農業や生活環境の減退、就職難、地域活力の低下などといった下り坂まっしぐらなところが共通している。それらの負のサイクルを少しでも和らげ、またそのサイクルから脱出するために行政や公共団体、そして企業が地域おこし協力隊やふるさと活性化協力隊といった人材を通して過疎地域を支援する動きが2008年頃から始まったそうです。

 

三郷町は良くも悪くもまだ負の下り坂がゆるく始まったところです。深刻度がまだないため、町民は町の将来図を真剣に考えたり向き合ったりしていません。そのことが一番この役職につき疑問に思い、怖くも思います。町を自分の体に例えてみましょう:「今のままの生き方だと癌になったり糖尿病になりますよ」、あるいは「癌が見つかりました」「糖尿病ですね」と医師に診断されたら、大抵の方は自分の食生活や人生の生き方を考えるのではないでしょうか。町も同じだと思います。色々な問題が浮き上がってきている今こそ、早めに対応できるよう自分たちのまちづくりと真剣に取り組むべきではないでしょうか?(少々熱くなってしまいました)

 

後半の座学報告①は白川村で4月からご活躍されている地域おこし協力隊2名がとても流暢に、誇りを持ち楽しみながら行っている活動内容を報告していただきました。白川村では同じ地域に3名同時に協力隊を取り入れたという点がとても魅力的に思えました。似たような仕事内容をしている人が近くにいることで疑問や相談など雇先の方にはなかなか伝わらない事が話し合え、お互いに刺激し合えるというのが最大の強みだと感じます。恵那市も協力隊は大勢いて嬉しいですが、なかなか同じ場所に集まることはないのが少々残念です。

 

座学報告②ではふるさと活性化協力隊OBで恵那市岩村に任期後定住し事業を開業されたNさんが体験談や協力隊としてのアドバイス、そして現活動内容を報告していただきました。Nさんのすごい点は、協力隊で培った人脈や体験を今の事業にフル活用できているということです。任期中の活動内容を1、2、3年目ときちんと把握し、任期後の活動までしっかりと計画をたてて実行されたとみえ、とてもスムーズなトランジッション(移行)だったように思います。恵那市・岩村町としても定住されたNさんは大切な人材です。

 

研修後半はワークショップタイムでした。他町の協力隊と混じっていくつかのグループに分かれ、架空の過疎集落地域の問題にどう取り組むかというゲームを行いました。架空の3年間でどのように地域に貢献し3年後のゴールを達成できるかといったシミュレーションゲームですが、私たちが直面している問題と重なる点がいくつもあり架空なんだけど現実味のあるゲームでした。このゲームは社団法人中越防災安全推進機構というところが作ったそうです。各グループは架空の過疎地域の写真をもらい、そこの問題点や状況をイメージします。そのあと、いくつかの重要なカードを引きます:黄色は内部人材カード(集落の特徴的な人材)、オレンジ色は資源カード(集落が自認している資源)、緑色は地域の声カード(地域の人がどのような活動をしたいか)、そして紫色は外部人材カード(活動の中で関わる外部人材)です。このカードたちを使い、地域のゴールまでどうやってたどりつくか活動内容をpost-itにできるだけ詳細に書き込みました。

 

下の写真は私のグループが提案したビジョンまでの3年間の道のりです。横に伸びているX線は時間を表し、縦に伸びているY線は地域の活性化の工程を表します。私のグループは、主なゴールの他にやりたいことは沢山提案したのですがそれらをどうやって実行するのかの詳細があまり明確でなかったかもしれません。知り合ったばかりの人と議論するのが難しかったのも詳細に踏み込めなかった一因だったかもしれません。でも何をするにも一番重要だったのは人脈を持つ、信頼される人材(おそらく行政)だというのが明白でした。通常このゲームは5時間ほど議論しながら出来上がるものらしいのですが、今回は時間が足りなかったため2時間以内に架空のストーリーを作り上げないといけませんでした。架空であるが故自由度がありすぎて都合の良い対策方法もできてしまいましたが、良いブレインストーミングの練習だったと思います。

 

その後は各グループの発表を聞き、ワークショップは佳境を迎えました。

 

最後に県の政策課地域振興室の方から協力隊員の活動内容や活動後の計画などについて報告がありました。密度の濃い一日でしたが、研修後は交流会で沢山の方と知り合う機会があり、その時間がこの研修で一番良かったかなというのが正直な感想です。今回は三重県熊野古道がある熊野市からも参加されている方々がいて、片道4時間半かかったというのに脱帽しました。研修に参加された皆様、ご苦労様でした。

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