大切なヨコのつながり

2015年10月26日 09:42

こんにちは、三郷町ふるさと活性化協力隊のmeganeです。秋晴れ続きで紅葉も山を少しずつ彩るようになり、遠出をしたい気持ちが最近強くなってきているこの頃です。(先週無事車を手に入れたこともお出かけ気分に拍車がかかっているのかもしれません)

上:武並橋から木曽川・笠木町を眺める

 

恵那市内には現在協力隊が私を含め5名各町や市役所で活動しています。普段は各自それぞれの町のための仕事をしているため、皆同じ場所で仕事をすることはありません。かろうじて年度初めと年度終わりに顔見世や活動報告をする程度です。私たちが体験していることを同じく経験し、理解して頂ける協力隊OBも5名ほど市内に残ってそれぞれ新しい道を歩んでいます。無論私の場合協力隊の活動が2年目に入り、町内の方々には徐々に自分の役職を受け入れて頂いており、ありがたく(ずうずうしいほど)お世話になっております。それでも同世代の似た様な立場の同僚は他にいないため、他町の協力隊と情報・意見交換できる時間はとても貴重であり、心のよりどころなのです。

 

そのような孤独な環境に今年度から少しずつ変化がみられるようになりました。

 

共同企画内容を皆で考える

発端は中野方協力隊OBの元同僚であった今井友樹監督による「鳥の道を越えて」という今はなき霞(カスミ)網猟の記憶をたどったドキュメンタリー映画。霞網という細く柔らかい網を使用して渡り鳥を捕獲する猟は東濃地方ではとても盛んで生活の一部となっていましたが、渡り鳥の減少や色々な要因により1947年に禁止されました。

 

昨年試写会を中野方で行った際、地元の方の反響がとても良かったため、霞網猟の体験者だけでなく是非若い世代の方にも今はなき文化のことを知っていただき、変わりゆく自然と人間の関係性について考える機会をこの映画を通して考えて頂けたら良いね、という思いが協力隊達の間で一致しました。話を徐々に具体化させ、恵那市の協力隊がいる町で所属している各まちづくり団体にご協力をいただき、恵那市内で上映会リレーを行うことになりました。今井監督も恵那市上映会リレーには非常に協力的な方で、上映会の後の座談会に毎回参加していただけることになりました。また、今井監督の生まれ故郷である東白川村からも協力隊が応援に駆けつけて下さっています。本当にありがたいことです。

 

企画が動きだす

第1弾目は8月25日、我が本拠地の三郷町で上映会・座談会をそれぞれ午前と午後の部に開催しました。(すみません、ブログでイベントのご報告をしていたつもりでしたがどこにもみつかりません…(*o*;)) 第2弾目は先日10月25日、飯地町の五毛座という歌舞伎小屋で開催されました。恵那市のリレー上映は全て無料開催のため両会場に何名来るかさっぱり予想がつきませんでしたが、とても嬉しいことに三郷町では町内外から約80名の方が映画を観に来場されました。当初夜の部のあとの座談会は予定していませんでしたが、上映前・上映中会場で絶えず参加者のコメントが聞こえていたので、急遽座談会を設け、体験者や野鳥の会の方の意見など多面的な内容を話し合うことができました。

左上:三郷町での上映会の風景。

右上:上映後参加者が自身の若き日写真を持参し、今井監督に鳥をお祝いごとの時に仲間と食べるなど生活の一部だったことを説明された。

 

飯地町でも上映前は何名参加されるか不安でしたが、なんと町内人口の2割、約120名の方が町内外から映画を観に来て下さりました!五毛座で映画を上映したのは約30年ぶりだそうで、会場へ向かわれる足取りが軽やかで笑顔が多く見られたのがとても印象的でした。大きな白い布をテープで貼りつなげた手作りスクリーンも良い味が出ていました。

左上:飯地町での上映会の風景

右上:会場の1階は準備していた席では足りず、階段に座る方や2階も人であふれた

 

2会場の共通点は参加者の多くが霞網猟の経験者や渡り鳥を昔食べていた方々だったことです。上映中に自身が体験した思い出に近いお話や知り合い・知っている場所などが流れる度に笑いや隣席との会話で会場内が大変盛り上がり、とてもアットホームな雰囲気の中反響が素晴らしく良かったです。映画をとても楽しんでいただけたことは参加者の表情をみていると明白で、笑顔があふれる時間になり本当に嬉しくなりました。開催協力を快く引き受けていただいた地元のまちづくり団体の関係者方も、予想以上の上映者の数に驚き、また参加者が映画を楽しんでいただいている姿を見て大変喜ばれていました。三郷町まちづくり委員会、飯地町まちづくり委員会の関係者様、上映会のためのご協力本当にありがとうございました!

 

企画を通し仲間をサポートする

なによりも個人的にありがたく嬉しかったのは、それぞれのまちのイベントに他の町から協力隊の仲間がお手伝いに駆けつけて頂けたことでした。もちろんそれぞれスケジュールが違うので毎回違う顔ぶれになりますが、企画だけ作り実際のイベント開催をそれぞれの町に任せるのではなく、まちといった枠を超え、必要とされていることがあればかゆい場所に手が届くようにどこにいてもスッと手伝いことができ、お互いを助け合える同志が一人でもいる心強さを初めて体験しました。来場された方々の年齢層は比較的高いので、他の町から若者が手伝いに来ることにより場の雰囲気が幾分若返ったのも良かったと思います。

 

いつも見慣れた町とは違う場所でお手伝いすることにより、そこの地域と自分の地域との違いや似ている点、見習いたいことなどが客観的に観察できるのもこの企画を開催して気づいた利点です。どうしても一つの場所にいると、考え方が狭くなり課題への取り組み方がマンネリ化したり偏ってしまいがちですが、今回の様に慣れた環境の外に出ることで他の町がどのように物事をとらえているのかなどを短時間ではありますが観察できます。そして、新しい地域で新たな人とのつながりができることもとても貴重な体験です。飯地では会場設置・片付けなどのお手伝いの他、地元の関係者と一緒に郷土料理弁当を美味しく頂きました。食べている間は地元の方と交流でき、飯地のことなどをより知ることができました。

 

また、協力隊が集まり、自分たちが掲げた同じ目標に向け時間を共有することの大切さを再認識しました。同じ空間で顔を見ながらお互いの近状報告や情報交換をすることはSNSやメールなどのやりとりより何倍もの価値があります。たわいもない話をする時もありますが、画面の中の文字でやりとりする会話より実時間に反応(返事)がすぐ返ってくることはとても重要です。

 

思うこと

個人的な意見ですが、できればもっと頻繁に協力隊が共同で自主的な企画を作り実行できることを望みます。なぜなら、先ほども書きましたように他の町との交流ができるうえ、同志と仕事ができるからです。

 

町それぞれに沢山の課題があるのは承知ですが、外部との接触をたまにとることにより色々な新しいチャレンジに取り組め、新たな交流により新鮮な視点や考えを発見できることでしょう。中には「(所属している)町のことだけ考えていればいい」「なぜ他の町のことまで関与するのか」と反論される方も見えますが、所属しているまちの仕事をこなすのはいうまでもありません。ですが、まちづくりはいたる所で似た様な課題について試行錯誤しながら行われています。似た様な課題があるのであれば、たまに近隣の町と気楽に交流しながら意見交換し、お互い手の足りないところで協力しあえたらとても素敵なネットワークが出来上がると思います。

 

「区」「町」「市」「国」といったように縦割りの枠にとらわれすぎるのではなく、お互い行き来しあえる地域として活性化できるよう、協力隊の立場をもっと広い範囲で活用できると所属する町にとってもプラスな要素になるのではないでしょうか。そんなことを最近よく思います。

 

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