全国過疎問題シンポジウム2014in三重

2014年10月10日 14:42

皆様こんにちは、三郷町ふるさと活性化協力隊員のmeganeです。

出かける際天気予報を確認したらば「曇り」でしたので、その情報を真に受けてしまい安心して傘を持っていかなかったのが今回の災難でした。目的地に近づくにつれ天気が悪化、しまいには大雨が降る始末でお気に入りのスウェード靴が台無しに…これからは天気予報が晴れでない限り折傘を常備しようと思います。

 

さて、今回は市役所の方々に誘われ伊勢の三重県営サンアリーナで開催された全国加速問題シンポジウム2014in三重の初日へ出席してきました。サブタイトルは過疎地域の未来に向けたイノベーション ~つながり、持ち寄り、支えあう「ふるさと」~ でして、私は”イノベーション”という言葉にとても興味を持ちました。

  1. イノベーション(innovation)とは、物事の「新結合」「新機軸」「新しい切り口」「新しい捉え方」「新しい活用法」(を創造する行為)のこと。 一般には新しい技術の発明と誤解されているが、それだけでなく新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革を意味する。

-Wikipedia参照

シンポジウムの前半は平成26年度過疎地域自立活性化優良事例表彰式が行われました。6組の団体が表彰され、彼らの団体名と成功例をここで少し紹介したいと思います:

滝の数日本一!「滝めぐり」で町おこし!

観光客減少に歯止めをかけるため、地域資源を生かしたまちづくりを目指す。観光客ガイド付きの滝めぐりコースを実施したり、地域の教育施設へ出向き地域の魅力を伝えたり、市民対象のツアーも実施。文化や伝統を体験できるよう周りの施設にも参加していただくことで独自のツアースタイルが確立し、下呂市全体の地域活性化に成功。

島のかあちゃんたちがもてなす「島の旅」

島の海女さんや女性による島の資源を活用した体験プログラムを地域と連携しながら提案、事業として展開することにより交流人口の増加や島の経済効果を生み出す。

公民館と学校と地域商社との協同のトライアングルによる地域運営の仕組みづくり

公民館が中心となり、教育機関や保護者、そして地域商社と連動し「食育活動」をテーマに地域づくり(地域課題に取り組む)・学びの場づくり(地域を理解する)・なりわいづくり(地域雇用の創出)に取り組むことにより町民が活発に実行し成果を出すことにより地域力を向上させる。

地域総力戦によるまちおこし

観光のまちおこし活動であまり光が当たらなかった町内の場所を観光資源化することにより観客数増加やメディアにとりあげられるようになる。NPOを主体とし、観光だけでなく農業、商工、行政など色々な組織が関わることで町おこし活動が活性化につながる。

わが町、そしてかけがいのない故郷早田の存続にむけて

住民主導で「自分たちのできることを、自分たちで可能な範囲で」をモットーにしつつ商工・教育施設・行政と協働により地域資源の海や山物産をフル活用した塾や食堂などといった住民の有志が参加やサポートできるイベントを運営し、地域内だけでなく外からの人とも交流をもつことにより地域活性化を実現。

もんてこい丹生谷

ふるさとの良さを住民手作りの舞台ミュージカルにし、年齢、地区問わず町民が参加することにより舞台がまちの交流の場となり、町が一丸となる。そのミュージカルややビデオレターを通し町出身者がいる都市などで交流イベントを開催し、故郷へU・Iターンを希望する人たちが増える。

このような成功例を見ると、全てに共通する点は地域主体の熱意や積極的な姿勢、地域内外の組織を巻き込み戦力にし、新しいアイディアを受け入けられる柔軟性、地域にすでにある地域資源の活用などです。そしてそれらの要点を上手に新結合することにより、社会的意義のある新たな価値が生まれ、地域に大きなプラスの変化をもたらすことが可能となったのだと思います。これからも各地でイノベーティブな活動で地域を盛り上げていけるよう希望を持ちたいです。受賞者の皆様、おめでとうございました。

 

シンポジウムの後半はNPOえがおつなげて代表理事の曽根原久司氏による講演「日本の田舎は宝の山~農村資源を都市のニーズと結べば10兆円産業が動き出す~」で、地方の農村が都会の有名企業とタイアップし色々とお互いのニーズを補い合うことに成功した例を紹介していただきました。例えば人材研修時に放置された農地を開墾してもらう体験をしたり、開墾した棚田でお米を作り、そこから企業専用のブランド酒を作って企業の海外パートナーズのお土産として使ってもらったり、間伐材を特殊な構造用合板にしたりと、とにかく面白いアイディアが沢山ありました。

上:講演で必ず行われる「開墾モリモリ」ポーズを会場全員で

 

最後にサブタイトルの過疎地域の未来に向けたイノベーション ~つながり、持ち寄り、支えあう「ふるさと」~ をテーマにパネルディスカッションが行われました。コーディネーターは慶応義塾大学総合政策学部教授の 飯盛義徳 、パネリストには江崎貴久氏((有)オズ 海島遊民クラブ代表)、曽根原久司氏、大和田順子氏((社)ロハス・ビジネス・アライアンス共同代表)、西村訓弘氏(三重大学副学長など)、そして尾上武義氏(三重県大台町長)といった豪華メンバーでした。難しい課題に面白い独自の視点から取り組まれている方々のお話は尽きることなく、時間があっという間に過ぎてしまいました。写真を撮りたくともノートに書き留めたいことが沢山ありすぎて撮れず、そのノートさえ話のスピードについていくのが難しく重要なポイントを全て書ききれなかったほど檀上で地域のイノベーションついて多いに盛り上がっていました。

 

あっという間にシンポジウム初日は終わってしまいました。残念ながら私たちは旅路が長いためそのあとの美味しい料理が待っている懇親会に出席できませんでしたが、講演者方のみなぎるエネルギーと知識や好奇心を少しでも吸収すべく聞いていた時間は久しぶりに有意義なもので、今回お誘いいただきとてもありがたかったです。ブログを読まれている皆様や他のまちづくり委員の方々にも是非聞いていただきたいディスカッションでした。もしまちづくりとイノベーションにご興味がある方は是非パネリストの活動を調べてみてください。もしかしたら「私の町でもできるかもしれない!」と共感できるアイディアと出会えるかもしれません。

 

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