大豆の収穫

2015年10月30日 17:47

こんにちは、三郷町ふるさと活性化協力隊のmeganeです。

 

私は今年初めて農業デビューしましたが、ほとんど草花の知識がございません。毛の生えた程度の家庭菜園を家の周りで少々試みていますが、残念ながら園芸の才能はないようです。以前、旅行中の家族に「トマトの苗に水をあげてね」とお願いされました。帰宅する前に雑草もとってあげたら喜ぶかなと思い、自分なりにプランターをきれいにしたつもりでいたら、なんと雑草と思って抜いていたものは実はトマトの苗だった…となんとも情けない体験があります。恵那に移住してからは、王道の山菜や夏野菜などの葉っぱや苗を見ればそれなりに何の植物かわかるようになってきたので、少しは進歩しているとおもいます。また、三郷町で知り合った方たちの多くは昔から何らかの形で農業に関わっていますので、文字通り歩く辞書なのです。一つの質問をすると、10の答えが返ってくるほど植物や田畑に対する知識が豊富で毎回驚きながらいろいろと教えていただいています。

上:まだなんとか実をつけてくれている今年のミニトマト

 

育てる

あんじゃないの家では畑があります。将来農業体験用に使えるといいね、と話は出るもののなかなか人材が集まらないためしばらく放置されていました。しかし、年間のイベントを企画していた際に、「こんにゃく芋と大豆の灰で美味しいこんにゃくが作れるよ」と会長の一声で、割と楽に育つ大豆を育てることになりました。(こんにゃく芋はレベルが高そうだったので今回は大豆にチャレンジです)

 

ということで、6月の始めに豆を撒き、2週間後に苗植えをしました。ちなみにあんじゃないの家のスタッフは誰一人として大豆を育てた経験がありません。種を植える時点から、あーでもない、そーでもない、などと持論とどこからから仕入れてきた知識を元に作業を進めていきました。

左上:初めて大豆植えに挑戦するスタッフ達

右上:種が苗になる間、柔らかくなった食べごろの種を鳥や害虫から守るためメッシュ布(網?)で覆いました

上:苗が沢山育ちました(6月下旬)

上2枚:畑を機械で耕し、土をおこします

上:ふかふかになった土の上にマルチシートを張り、雑草をできるだけ抑制します

左上:マルチシートとマルチに穴をあける道具で、右上の様にマルチに20~30cm間に穴を開けていきます。

上:穴を開けたところに苗を1,2株ずつ植えていきます。しゃがんで立ってを連続しながら作業することに慣れていない私にとって体力的に非常に大変な時間でした。そして、薄いシャツで作業していたら、太陽の日差しが強かったため変に背中が日焼けしてしまいました。昔の人が使用されていた背   みの   などがあれば良かったなと体験して初めて昔の人の実用的な知恵を再認識しました。

 

大豆の成長過程の様子

左下:畑の全体図。同時進行で崩れ始めていた蔵を業者さんに壊してもらいました。(6月下旬)

右下:まだ茎や葉っぱが小さく細い(7月上旬)

左上:マルチを張ったのにかかわらず雑草の方が枝豆より元気よく育っていた(8月中旬)

右上:枝豆が美味しそうに見える頃(9月中旬)

 

約4か月半の間、スタッフの方々がたまに草刈りや水やりを行い、10月半ばに開催された秋の交流会の時に少し枝豆として参加者と一緒に頂きました。交流会の数日前にイノシシが少し畑を荒らしましたが、それ以外無農薬でも害虫などによる被害はほとんど見られませんでした。

 

収穫する

秋の交流会が開催されてから約1週間半。まだ交流会の時は葉っぱやさやは緑色から茶色に変わりつつある状況だったので、収穫はもう少し後で良いと聞いていました。そして大豆の件はしばらく頭の中から存在を忘れていました。

 

それから10日間程過ぎた頃、あんじゃないの家がある椋実区では霜が降り、急遽収穫せねば行けない状態だと連絡がありました。早速あんじゃないの家の畑へ行ってみると、前回覚えていた畑の風景からは想像できない変化があり、あっけにとられてしまいました。

左:10月18日撮影 秋の交流会の日       右:10月28日撮影

 

「Nさんがもう収穫を済ませてくれたのだろうか?」

「イノシシが全部大豆や葉っぱを食べたのだろうか?」

 

見渡す限り、枯れた茎しか見えません。一体どういうことなのだろう?!

 

大豆を育てた経験がないため、さっぱり茶色くなった畑の原因が分かりません。

急いでインターネットで調べてみると、葉っぱが枯れ落ちるのは普通のことだということが分かり、一安心。

「大豆は完熟すると葉が落ち枯れたようになります。
根っこごと刈り取って、集めて乾燥させます。」

-大豆の育て方/大豆の作り方(大豆栽培)

大豆をまじかで見てみると、もうさやから大豆が飛び出て地面に転がっていたり、虫に食べられていたり、さやごと地面に落ちていたり、などとちょっと収穫には遅めだったようです。まだ葉っぱが青いものもありましたが、これ以上放置しておかない方が良いということで収穫を始めることにしました。

 

作業は工程がいまいちわかっていない私一人。どうにかせねばならないので、とりあえず事務局に前日教えていただいた通りに作業を進めることにしました。

 

1.大豆の茎を根っこごと引き抜く。

ひたすら午前中根っこごと抜いては土を払い、一輪車に乗せました。茎を引っ張るたびに大豆が数粒さやから落ちるので、豆を拾う時間が思ったより多くかかりましたが、なるべく豆を無駄にしないよう拾えるだけ拾いました。引き抜く作業は想像以上に腕の筋肉を使うため、利き腕だけでなく均等に左右の腕を使うことを覚えました。

 

2.大豆が入ったさやをとりわける

さやがカラカラであればちょっと振れば大豆が簡単に落ちてくると言われていましたが、そういったカラカラしたものはもう畑の上で豆をはじいていました。どうしてよいかわからなくなったのですが、秋の交流会の時に枝豆と大豆の仕分けしたものが縁側に乾かしてあったので、そのようにさやを茎から手でもぎ取ることにしました。これには結構時間がかかりました。最初は虫に食べられていたり、見栄えが悪いものなどを仕分けしていましたが、時間が経つにつれ終わりが一向に近づかないことにイライラを覚えてしまい、途中から仕分けをやめ、いち早くさやをとり終えることに集中しました。

左上:約5ふさ分から収穫できた大豆 

右上:数時間後。ひたすらさやを茎からむしり取った。

 

あとから色々な方にお話を聞いたら、茎にさやを付けたまま乾燥させ、カラカラになったら棒などで叩けば大豆が簡単に落ちることを教えていただきました…。しまった、必要のない作業に時間をかけすぎてしまった(T_T;) しかし間違いから学んだことは沢山あるから何事もチャレンジするべきだと開き直り、自分を納得させました。

 

3.茎をまとめて吊るし、乾燥させる。

茎の部分は12月に芋こんにゃくを作る時の灰汁として使用するため乾燥してとっておきます。乾燥した茎を燃やして灰にすると、市場に売られている灰汁でこんにゃくを作るより、随分と美味しくなるそうです。通常だと根っこや土は茎から切り落として収穫し、まとめて乾燥させるそうですが、先程インターネットで調べた時に「根っこごと刈りとって乾燥させる」とかいてあったので、その言葉を真に受けてしまいました。

 

あんじゃないの家はほとんど日が当たることないため、心身冷えながらひたすらふさをむしり取り終えた後に根っこを切り落とす心と体力の余裕がありませんでした。もっと身体頑丈にならねばなりません。また、こういう地道な作業は一人で黙々と長時間行うより話し相手がいると気分転換になったり作業がはかどるのだろう、と頼もしい協力者が参加してくれる次の日が待ち遠しくなりました。

 

寒さに限界があったので、この日はこれでひとまず終了。

 

楽しみながら収穫する

次の日はいつもお世話になっているFさんに協力を願い、お手伝いに来ていただきました。Fさんも大豆を作った経験はありませんが、近所の方などに沢山情報を聞いて収穫方法を収集してくれました。やはりさやはそのまま茎につけたまま、むしろやタープの上でたくさん日をあてカラッカラに乾燥させるのが良いということで、手早く残りの茎を畑からすべて抜き、日当たりのよい場所でタープの上で半日乾かしました。日影がよく移動するので、茎や大豆が日になるべく当たるよう頻繁にタープを畑の上で動かしました。

もう一人お手伝いが増えるとなんと作業の進みが早いこと!途中割れたガラスを修理してくれたガラス屋さんや講座生のAさんなどが寄っていかれましたが、一人手を休めてももう一人が作業を続けているため、昨日の数倍の速さで畑から大豆の茎がきれいさっぱり無くなりました。マルチシートも時間があるうちに取り外した方が次回畑を起こす時機械に引っかかる心配がないので、早速取り外しました。楽しい話で盛り上がりながらの作業は時間が早く過ぎていき、疲れもそこまで感じませんでした。ご協力本当にありがとうございました。

 

半日では大豆は乾ききりません。本当は連日天日にあてるのが一番良いのですが、雨模様が続くという予報だったので、とりあえず日が当たりやすい縁側に昨日のさやを並べ、残りの茎は一時的に室内に置くことにしました。

追伸:

数日後になってもあまりあんじゃないの家では日当たりが足りないため、Fさんが自宅に豆と茎を持ち帰り、日当たりがしっかりできる場所に置いていただくことになりました。ここまで勘考していただき本当にありがたいです。数日後、豆を落とす作業をお手伝いする約束をしました。カラッカラになった大豆が見れるのを楽しみにしています。

 

おまけ

以前Fさんとお話しした際、高い木になっている柿は竹でとっていたと聞いていたので、作業の合間に裏庭になっている渋柿で実践していただきました。長ーい竹の棒の先を少し縦割り、その間に木の枝をはさみます。そしてその竹棒を釣竿のように持ち上げ、何回目かのトライで柿がとれました。(正確には地面に落ちてしまいました)本当はその方法で枝ごと取れ、T字部分の枝にワラひもを結んで干し柿を干す準備を昔したそうです。この地域ではあまり干し柿を作っている方がいないそうですが、皆さん昔のことはしっかりと覚えていらっしゃいます。Fさん、色々と付き合って頂きありがとうございました!

 

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