新城市軽トラ市視察

2015年07月01日 16:36

少し時間が経ってしまいましたが、都市交流部会は6月28日(日)愛知県新城市の軽トラ市のんほいルロットを視察してきました。

 

<なぜ新城軽トラ市?>

視察の大きな理由は三郷町で例年行っていたごへだ祭りが今年度から開催されなくなったからです。今まで三郷町はJR東海のさわやかウォーキングが三郷町内を回るコースだったため、それに合わせてごへだ祭りというごへだ(ごへいもち)や豚汁などを振る舞うイベントをまちづくり委員会と各自治会が力を合わせ、過去数年開催していました。しかし、さわやかウォーキングの主催地が今年から三郷町でなくなることが確実になりごへだ祭りの今後を議論したところ、さわやかウォーキングに頼る行事ではなく、町民が主体となって行う「町民の為の町民による町全体のイベント」をやろうということになりました。世間でも定着してきた軽トラ市を三郷町でも開催できないか確かめるため、いち早く軽トラ市を成功させた新城市にお邪魔し、主催者に運営方法などのお話を伺うことになりました。

 

<新城軽トラ市の始まり>

新城軽トラ市を始めるきっかけは時代が変わる中で商店街にお客がどんどん寄らなくなり、元気のないシャッター街となりつつあったので、どうにか活性化させたいという思いでした。

 

立ち上げ当初、実行委員会組織のほとんどのメンバーを商工会の役員にひな壇としてついていただき、実質のワーキンググループは3つの部会で成り立つメンバーが中心となってイベントを運営する仕組みをとりました。そうすることにより商工会がもらえる補助金をスタート資金とし軽トラ市「のんほいルロット」が開始されました。会場となる商店街は商工会の3つの支部が重なっています。6年目にしてまちを活性化するためまちづくりの会社を設立し、今では最大80台入れる会場もキャンセル待ちになるほどの人気となりました。来場者1~4年目は1500人、5年目からメディアの露出度も上がり2000人以上までになっています。雨でも必ず第4日曜日に開催するという徹底ぶりで、顧客に「ここに来れば何かある」と体験してもらえた成果が来客数の増加に表れています。

 

<新城軽トラ市の良さ>

アンケート調査で分かった軽トラ市の良さは出展者・来場者とも友達ができる、また対面でしゃべれるのが楽しいといった人との交流です。実際に現場を歩いてみると、沢山のお店でお客も出店側もお互い楽しそうにお話しされているのが印象的でした。

 

人気が高くなるにつれ、マスコミも軽トラ市のPRを頻繁にしていただき更にお客が増え、おかげで商店街のお店も少しずつ軽トラ市が開催される日に開くようになったそうです。商店街のお店の人の血が騒ぐのだとか。出展者の50~60%が地元、その他は浜松、豊川・豊橋、長野、名古屋などとても広い範囲から新城市に来ています。出店内容は新鮮野菜から加工食品、服飾類、陶芸、インテリア雑貨、盆栽などなど様々です。ウナギ屋さんが新鮮な焼き立てウナギを出しており、香ばしい匂いにそそられてしまいました。中には商売目的ではなく郵便局や警察署、市民病院などもブースを出して参加しています。地元の学校の写真部も作品の展示場として軽トラ市に出店していました。また、お客様も地元で半径10km範囲から見える方が60%、最近はメディアに紹介してもらうおかげで都会からの客層が増えました。

 

面白いなと思った点は、行政との連係プレー方式です。市はお金を出す代わり、職員をお手伝いスタッフとして軽トラ市に送り出します。市役所の職員は他のスタッフと同様月1集まり、そして会議ではスタッフ全員が意見を言うことになっています。結果スタッフ同士の関わりあい度が増し、メンバーとしての意識も高まり、責任感が生まれるので問題が起きると役員に相談しに行かなくても現場で独自に解決することが可能になります。そのように手伝うスタッフを養成していき、今では退職後もボランティアとして参加してくれるようになったそうです。スタッフは現場にいてもすぐお客と見分けれるよう、ピンクのTシャツを着ているのですが、そのピンク色が軽トラ市の元気を表現しているようにも見えました。

 

<三郷町で軽トラ市をやってみる>

三郷町には新城市のような商店街はありません。外食店は片手で数えるほどしかなく、買い物は地元の豆腐屋さんを除きほぼ100%町外で済ませているのが現状です。多くの方は大小の差はありますが自分の畑で野菜を育てています。お店をやったことのない方ばかりの地域で軽トラ市を開催するのは未知の世界かと思われます。

 

でも「やったことがないから」を理由にできないと断言するのではなく、少しでも興味を持っていただき参加していただくとこで新しい体験としてきっと何か楽しいことを得ることができると思います。知らないお客との交流で世界が少し広がるかもしれませんし、なかなか同じ町内にいても会う機会がない知り合いと再会の場となるかもしれません。美味しい食べ物や掘り出し物の買い物で心がホクホクすることでしょう。

開催目的はあくまでも商店街の活性化であり、商売目的ではない。

新城市商工会のリーダーがおっしゃった言葉はまさに今三郷にぴったりな言葉です。売り上げが良いにこしたことはないのですが、まず町民が地域関係なく楽しめて交流できるイベントでイキイキできる場を作る。新城市のように毎月イベントを開催するまではいきませんが、まちをあげた活性化交流型イベントとして軽トラ市が成功することを心から望みます。

 

<スライドショー>

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