新年よろしくお願いします

2016年01月06日 15:09

こんにちは、三郷町ふるさと活性化協力隊のmeganeです。

 

読者の皆様は良いお正月を過ごされましたでしょうか? 

私は生まれ故郷に帰省し、久々の親族や旧知との再会を満喫してきました。

本年も少しずつですが心を込めていろいろな記事を書いていく所存ですのでよろしくお願いいたします。

2016年は皆様にとって素晴らしい良い年になりますように願っております。

 

新年だけどまたまた門松作り

さて、本当は年始について書くべきなのですが、昨年の年末中紹介できなかった体験があったのでここで記します。

 

2015年仕事納めの内容はあんじゃないの家用の門松作りでした。(また門松の記事ですみません)今回は急きょ参加してくれた私の友人や私自身も一からのお手伝いをしました。二人とも門松作りは初めてです。

 

毎度おなじみFさんの竹藪山でFさんと待ち合わせをし、門松用の竹を迎えに行きました。山には無数の立派な竹が連なっていますが、その中からなるべくまっすぐのびているものを選びました。前から見るとまっすぐに見えても、場所を移動して横から竹を見るとグワンと曲がっているものが結構あり、竹を選択するのに思ったより時間がかかりました。程度の良い竹が見つかると、Fさんは早速のこぎりで竹を簡単に切り始めました。私たちは安全な場所で離れてFさんの活動を見守ります。「メリメリ、バリバリバリ」という音と共に竹は倒れましたが、木や竹が密集しているため、竹の先が他の木の枝などに引っかかってしまい地面まで落ちてきませんでした。

左下:竹選びの時間

右下:竹をのこぎりで切っているところ

ここからがFさんの腕の見せ所。ひもがつながっている大きなフックを竹の切り口部分にかけ、ひもを大胆にひっぱりながら引っかかった竹を揺らし引っ張ります。竹は一見細く見えますが、かなり重いです。そんな竹の様子を見ながら何度もひっぱったり揺らしたりを繰り返すと、ようやくズズズズ・ドスンと竹が地面に落ちました。切った2本目も似た様な太さのものを選び、1本目と同様に切り倒しました。ここまでの作業をFさん一人にお任せしてしまい、とてもふがいなかった反面、体力不足の友人と私では決してできなかった作業だったのでとてもありがたかったです。

竹は1本全て使用するわけではありません。約3メートルの長さで切り揃えてから軽トラまで運びます。久しぶりにのこぎりを手にしましたが、思ったより腕と腰に来る作業でした。本当はこの時点で2本の竹の節の高さが似た様な位置にあるのか確認し、玄関前に据えた時竹の見栄えが左右対称になるとかっこよいのですが、私たちは切ることで精いっぱいでした。のちにここで確認を怠ってしまったことを後悔するのです…がそれはさておき、次へ参りましょう。

そのあとは切った竹を軽トラの荷台に積みました。運転中竹が動かないようひもで竹を固定しているところを観察していたら、いつも気が付かなかった結び目がしっかりと作られていました。万力(まんりき)結び、またの名を南京結びや運送結びといわれています。動滑車の原理を用いており、小さな力で大きな力を生み出せる結び方です。しっかりと荷物を固定しますが、ひもをほどくときはスルスルととれるそうです。軽トラは農作業や山仕事などが盛んな地方では第2の足といわれるほど大活躍しており、こういった特殊なひもの結び方は軽トラや運送用の車を持っていないとなかなか知る機会のない知識だなと改めて思いました。さりげなくこういった知識を持っている方々には本当に感服です。

さて、話を元に戻しましょう。あんじゃないの家へ向かう途中、車を駐車していた佐々良木目垂の観音様で何やらにぎやかな声がしたので立ち寄ってみました。するとご近所の方たちがここの門松を作っていた最中でした!

 

こちらも前回の野井舟森山武並神社と同様、この地域に昔から伝わっている松とそよぎの木、そして南天の実を飾り付けていました。そしていつお邪魔しても空いていなかったお堂が今回開いており、中で祭られている観音様や弘法さまなどの像が見学できて光栄でした。Fさんによると、これらの像は平家の落ち武者が持ち運んだという由来があるそうです。(間違っていたらすみません)目垂の皆様、突然にもかかわらず貴重な地域遺産や門松作りを見せて頂きありがとうございました!

そして最後に立ち寄ったのは藤井さんの田んぼ沿いにある松の木。松は年神様が宿る門松の一番大切な部分です。大きな枝を一本門松用に切っていただきました。自然が多い環境だとホームセンターやフラワーショップに行かなくても、自分の持ち山や田んぼ付近で飾り付け全てが揃ってしまう自然の恵みに感謝感激。お金に頼る売買の世界とは違う豊かさがとても素敵です。

寄り道を終え、ようやくあんじゃないの家に到着しました。晴れ晴れとしていた佐々良木目垂とはうってかわり、あんじゃないの家は裏山が太陽の光をさえぎっており、見事に底冷えしてしまいます。そんな中、早速ブルーシートを広げ作業開始です。Fさんがイメージしている門松は舟森山神社や目垂の観音様のような松とそよぎのものではなく、また常久寺で作られた大きな竹が3本並ぶものでもありませんでした。

 

まずは玄関の軒下の長さと斜面の角度に合わせ、竹先を切ります。そして玄関の両脇に柱の様に建てつけます。この時点で飾りというよりは建築の一部に見えてきました。存在感がすでにあります。

立てる場所を確認し、印をつけたら竹をはずし、飾りを入れる部分をのこぎりで切り取ります。ここで先程書いた、節の高さが合わない問題がついに発覚しました:節の高さが合わないと左右対称にならないだけでなく、飾りを入れる部分の高さも合わなくなってしまうのです! でもそこはご愛嬌ということで、なるべく近い高さにしてそれぞれの竹に切り目を入れました。竹を斜めに切るのはのこぎりが滑ったり、切っている最中に刃が曲がって切り口も歪んでしまい、頭で思っていることと刃が相反した動きをして難しかったです。また、のこぎりは早く動かせば早く切れるものではないということも体験して分かりました。ゆっくりと、少し力を加えながら動かせばきちんと竹は切れました。

竹が軒下から倒れないようにビスを軽く軒下につけ、竹に引っかかるようにします。竹が固定された後は切り口部分に水が入った入れ物を据え、これで竹の準備は完了。その後は友人と私でそれぞれの竹に松や梅の木、南天の実、そして笹の葉で飾り付けを行いました。

乾山がなかったためどうしても飾りが触るたび動いてしまいましたが、何とかそれぞれの竹の飾り付けを終えることができました。非相称ですが、それがかえって良く見えるのは自分たちが作ったという、客観性がない色眼鏡からの観点だからでしょうか?個人的には先程Fさんに用意していただいた松の木の枝や笹の葉、そして南天の葉を豪快に使うことができたのでとても満足しています:)

私達が飾り付けをしている最中に、Fさんが竹の足元に砂を盛って下さいました。これであんじゃないの家の門松できあがり!

華道を習ったことのない私にとって花を生けることの難しさ、歯がゆさは毎回感じるのですが、このような機会を頂いて場数を増やすことにより、少しずつですが自然を使う美を五感で感じ取りながら学んでいけるのだと分かってきたような気がします。今回はFさんのお誘いにより貴重な体験をすることができました。Fさん、いつも気にかけていただきありがとうございます!

 

追伸

あんじゃないの家は日中でもほとんど日が当たりません。夏場はそのおかげでだいぶ涼しいのですが、冬場の寒さは体の芯まで冷えてしまいます。この辺りでは「凍みる寒さだな~」(凍る寒さだな~)なんて方言がありますが、まさに息が凍みるほどの寒さだったのです。暖冬だから甘く見てはいけない場所なのです。今回は外仕事が長かったので、いつのまにか家に帰る頃には体が冷えきってしまい、低体温症から高熱で倒れてしまいました。寝正月にはならずにすみましたが、皆さんももし冬期中あんじゃないの家方面へお越しになる際は沢山重ね着して、しっかり体内温度調整ができるよう準備をお願いします。

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