景観まちづくりワークショップ第3回目@佐々良木

2014年11月24日 11:49

こんにちは、三郷町ふるさと活性化協力隊のmeganeです。

最近は素晴らしく空と紅葉が彩った山が楽しめる秋日和が三郷や東濃地方全般で続いていますが皆様は紅葉を楽しまれましたでしょうか?

 

先日23日に景観まちづくりワークショップ第3回目が行われました。今回は佐々良木地区のワークショップに参加させていただくことになりました。ワークショップが始まる前お世話になっている佐々良木在住の人口減少対策部会副部長Fさんが見晴らしの良い「ふるさとを想う椅子」から佐々良木が景観的にどんなところなのかを教えていただきました。現在活動の拠点の一つである事務所も佐々良木ですが、そこと茅葺の家以外あまり佐々良木のことは良く知らずに今まで過ごしたので今回はFさんから地図を見るだけでは得ることのできない体感情報をも頂載しました。それにしてもすがすがしい天気で気持ちが晴れ晴れしました。Fさん、良い景色を見せていただきありがとうございました。

 

<宮盛座>

ワークショップの会場は佐々良木公民館「宮盛座」。今回初めて中に入りましたが、地歌舞伎用舞台や劇場の要素を備えた公民館が2004年に修復されたもので、花道や風景画、2回から芝居を観る桟敷席といった昔の娯楽文化を髣髴させる姿が残った面白い建物です。教育・文化部会副部長Aさんから教えていただきましたが、昔はここで歌舞伎や映画を見たそうです。今でもなごりとして外に小さな窓口のチケットブースが2か所残っていますが、現在そこのブースは物置部屋となっています。道沿いの外観はモルタルやペンキで生まれ変わっていたのとは対照的に側面は木材パネルを使用しており、個人的にはそちらの方が風情があると思います。ワークショップが始まる前に2階から全体を見渡したかったのですが、時間が無くなってしまったので代わりに普段立つことのない花道に上り写真を一枚撮らせていただきました。

 

<ワークショップ第3回目>

今回佐々良木は12名ほどの参加者が集まり、このワークショップがどのように地域に役立つのか、またはどのように活性化につながるのかを再確認していただくため、他の地域の事例を紹介していただくところから始まりました。やはりこれだけ時間をかけて地元の方に意見を頂いて成り立つワークショップなので、キチンと行政やコンサルタントとして参加されている大学側が地域の意見を聞き入れて是非地域の向上、活性化に役立てていただければと願います。私が座っていたテーブルでは「地域の問題や課題についてワークショップでは話したりない」という意見も出ていましたが、話がヒートアップしてくるとどうしても景観以外の問題を語らずにはいられなくなるのでそういった他の重要な地域が抱える問題について住民が話し合う、住民のためのワークショップも必要なんだなと感じました。

 

他地域事例紹介の後は地域の地図(観光用)に使えるマップルートを徒歩で短距離、長距離、そしてドライブ用の3種類を住民の皆様に提案していただきました。普段見慣れた風景は当たり前と思ってしまいあまり気にも留めなくなっているのが通常ですが、その「当たり前」の風景をどのように観光客や通行人に魅力的に見せ興味を持っていただけるか、歩きやすい道はどこかなどとルートを話し合いながら景色の良いところや文化・歴史的要素のある場所などを再認識し考えていただきました。それぞれのルートにはより郷土らしさや愛着がわくように地元にゆかりのある名前を提案され、そして2つのグループは多少道が違えども、大まかなシーニックポイントはきちんと備えたルート3つが作成されました。

偶然にも調べ物をしていたら風景体験のプロセスというものを説明している早稲田大学の修士研究「地域イメージの生成に関わる風景体験の多元性に関する研究」 の概要を目にし、この景観ワークショップはまさにプロセスそのものだということを知りました。(1.基本風景=個人が無意識・意識的に知っている風景の記憶 2.原風景=基本風景を言葉で表したとき仲間と共有する理解された風景 3.表現的風景=絵画や写真など、言語以外で具体的に表現した印象的風景)このプロセスで住民が普段見慣れている景観を自分以外の人と共有することで景観を意識(再認識)し景観の価値観をつけ、結果その景観を守ったり改善整備するべきところなどを見極める工程ができるという、景観ワークショップにとても関連性の高い研究があることにとても興味を持ちました。

 

話は少し逸れてしまいましたが、その他にもこれから10年間で佐々良木地区では景観に関する課題に対し何ができるか、そして誰がそれらの課題に取り組むのかを具体的に書き出してもらいました。やるべきことは沢山あるようです(^^)

 

そして最後になりましたが、各参加者にまちづくりヒデオレターなるものを作っていただきました。ビデオカメラの前で佐々良木区のお勧め風景写真を持ち、左下の写真にある質問に次々と答えていく形式でした。ステージ上に立ち、皆さんが見ているところで録画されるため少し緊張されている方も中にはいらっしゃいましたが皆さん楽しくビデオレターを作っていたように思います。バックグラウンドが歌舞伎の背景画なのも良いですね。

参加者・開催者の皆様、お疲れ様でした。次回は12月13日(土)13:00~武並コミュニティーセンターでお会いしましょう!

 

<余談>

恵那市は映画館がないので、大小の映画館が必ずいくつもある環境で育った私にとってはじめの頃は映画を見る場所が近所にないことに違和感がありました。名古屋や小牧まで出れば見れないことはないのですが、そうすると移動費+映画代+α(食事代や交際費など)で最低5千円と半日かかることになる上、IT環境が整いオンラインで最新の映画も見ることが可能になった現在ではいつの間にか気軽に行けるはずの娯楽施設へ足が遠のいてしまいました。でも宮盛座のように地域に根付いている劇場がまだ存在するのであれば、期間限定や単発的に映画を上映することで建物がもっと頻繁にしようされるようになり、地域も活気づく可能性があるように思います。

 

最近の映画館施設はとても設備が整っており、長時間座っていても疲れない椅子や最高潮のサウンドシステム、どでかいスクリーン、映画の中に出てくる匂いを場内で再現するシステムなど、いたりつくせりな作りになっています。それはそれでとてもありがたいのですが、そこまで完璧な施設でなくても映画が好きな人は映画が見れればどこでもよいのではないでしょうか。私がまだ学生だった頃、アメリカの都市では土地がとても高価なので新しい映画館を作るのではなく、以前違う機能を持っていた建物を少し改築して映画館として再機能させたり、公共広場や公園、海辺で空の下の映画場が流行っていた時期がありました。倉庫の狭い部屋を暗室にして椅子をぎゅうぎゅうに入れた所や中庭に隣接している建物の壁など、とにかく暗くできる空間で映像を映す平面があれば映画を観に人は集まりました。一番驚いた場所は、地下駐車場を劇場にしたところで構造の柱がいたるところにあり、運の悪い人は柱の真ん前に席がありほとんど映画が見えていませんでした。それでもその変わった空間を味わうのが面白い経験なんだと仲間で話したのを覚えています。

 

宮盛座シアター復活、いかがでしょうか?

 

<スライドショー>

*スライドショーはFLASHプレーヤーを使用しています

 

 

 

 

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