かやぶきの家

2014年04月07日 15:21

皆様こんにちは。

三郷町ふるさと活性化協力隊のmeganeです。

 

先週三郷町振興事務所付近を散歩していましたら徒歩5分ほど南へ向かうと「かやぶきの家」というなんとも情緒のある古民家が棚田の上にありました。

 

三郷歴史文化部会の紹介によればこの家で育った3兄弟が昭和46年から2年かかって復元したものを、町内の人が力を合わせ3年修理し平成20年に完成したということ。今でも三郷町観光協会が掃除やメンテナンスを頻繁に行っているそうで内装・外装はとても良く保たれています。

ここ近辺は平成21年県からぎふの棚田21選の認定地区に指定されており、かやぶきの家から北に見る景色は抜群。時間が止まったような場所でまさに日本昔話に出てきそうな景観です。

 

今ではあまり見ることのない茅葺屋根の構造や、昔ながらの材料の使用方法を拝見できとても勉強になりました。

 

左:前日雨だったので屋根の上部がまだ乾いていない様子。

右:茅を支える構造に竹が見えました。竹簀巻き(たけすまき) というそうです。 

左:2階の屋根の構造。隙間が見えるのでいくら茅葺は断熱が優れているといえど壁に断熱材がないためやはり冬は寒そう

右:外壁腰壁部分は木の皮を使用。それを竹でおさえる手法

 

  

 

左:吊るしてある枝を使って雨戸を開いたままにするのもおもしろい

右:内部の建具は通常の襖ではなく竹を使用している。昔は紙が高級品だったからなのでしょうか、それとも利用者が多い夏仕様なのでしょうか

 

内部:いろりや土間があります。柱は今は貴重な栗だそうです

 

縁側・庭:南側には小さな縁側とお庭があります。中でもない、外でもない縁側がいかに素敵な空間か体感できる場所です

 

外と中の関係:南と北側の雨戸と障子をあけると風が家の中をよく通り抜け、光も地面に反射し家の中を程よく照らす。外に出ると向こうの開口部分から見える景色が額縁に入ったようにも見え、家の中と自然の借景が素敵です。茅葺が少し乱れていますが今年の冬に降った積雪の影響でしょうか。

下からかやぶきの屋根を眺めると家は棚田と背景の山々に溶け込んでいるように見えます。昔の人の暮らしが自然の一部だったかということを再認識。

 

現代の住宅が提供する心地よい暮らしとは程遠い造りかもしれませんが、サステイナビリティー(環境配慮)をうたう建築業界の最新技術は元をたどるとこのような昔から自然と共に暮らしてきた人たちの知恵であるということを教えてくれる場所です。

 

かやぶきの家は中を見れるだけでなく、イベント場や宿泊施設として借りることができますので興味がある方は恵那市観光協会三郷支部、または三郷町振興事務所へご連絡してください。

三郷振興事務所   TEL: 0573-28-1001

—————

戻る