なんまいだ
こんにちは、三郷町ふるさと活性化協力隊のmeganeです。
数日前になりますが、1月4日(月)と5日(火)に野井地区の子供たちが「なんまいだ」という行事を町内を回りながら行いました。
幣束(へいそく)がついた榊(さかき)を持ち、各家庭を訪れては榊でお祓いしながら「なんまいだーなんまいだー・こうみょうへんじょう」と太鼓など打ちながら子供たちが声を合わせて唱えます。この光明遍照というのは仏語で「阿弥陀仏の救いの光があまねく全世界に及んでいるということ」*で、伺う各家庭の無病息災や五穀豊穣を祈る唱え事とのこと。お祓いをしてもらった家からはお祝儀を頂き、集まったお祝儀は1月10日のどんど焼きに振る舞われるミカンやおやつ、お神酒などにあてられます。
三郷町内でも野井区だけこの行事を行う理由は調べても答えが見つかりませんでしたが、佐々良木や椋実地区では昔からなんまいだを行う風習はなかったようです。また、他の地域では少し行事内容が三郷町とは若干違いがあります。例えば同市串原町柿畑地区では1月7日に子供たちが大きな数珠を数人で回すそうです。また、群馬県富岡市中耕地地区では17日の夜に行われたり、同じく群馬県の昭和村糸井地区ではお正月明けではなく、農作業が活発になり始める6月に行事を行われています。そちらでは無病息災だけではなく、農作物につく害虫を追い払うためにも「なんまいだ」と唱えるそうです。
地域によって微妙に異なる行事も、元は京都・知恩寺の通称「百万遍」に由来するといわれています。なんまいだーと唱えながら大きな数珠玉1080個を100回回し極楽へ行けるよう願う行事です。三郷町野井区はなぜ数珠は持ち歩かないのか、一度詳細を知っている方がいたら是非教えていただきたいです。
人口減少で子供が減っている地域が増えている中、このような行事を絶やさないように努力されている自治会や子供会に感服します。その反面、これから各地域から子供がいなくなってしまうと地域文化はいったいどうしてしまうのか、とても気がかりなのも否めません。
ちなみに今年のなんまいだはローカルのNHKニュース番組にもピックアップされました。録画された方がいましたら、映像のコピーを頂きたいので是非こちらまでご連絡ください。
*「光明遍照」 三省堂 大辞林