三郷DE軽トラ市 やればできる!
少し遅くなりましたが、15日(日)に三郷軽トラ市が開催されました。
新しい試みをやってみようと主催者・出店者が皆不安と期待を入り交じりながら優れない天候の中、開催日をとうとう迎えました。マラソン大会のコースが一時近所を通過することもあり、交通面の混雑が予想されるためとにかく無事で無事故な1日であると共に三郷町の軽トラ市の成功を祈るばかりでした。
<準備>
前夜に雨が本降りで会場グラウンドがグチャグチャになってしまい、残念ながら半分ほどの店舗は体育館の中に移動することに急きょ決定。当日も朝は小雨が降ったり止んだりと不安定な天候がしばらく続きましたが、そんな悪環境の中でも食品や野菜、堆肥、チェーンソーやクリーニングなど実演する出店者は外でテントや軽トラに出品物を並べ、出来る限り準備態勢を整えました。
下:前日スタッフが書き込んだ店舗区画や駐車場の線は雨や水たまりにほとんど消されていた
小雨の中次々と出店者が会場に来場し、準備に取りかかりました。少しずつテントや軽トラの数が増えていく風景は見ていて嬉しくなりました。
体育館の中では新しく指定された区画に出店者が色々と工夫しながら品物を並べていました。館内に移動したお店は9店舗+2015年フォトコンテストの作品展ブース。少々体育館の空間は店舗数に対し広かったように思いますが、商品やお客様が雨に濡れてはいけないのでこちらにお店を移動して正解でした。
入り口付近にはフォトコンテスト作品展を準備しました。パネルに飾ってある13点の入選作品以外に応募された全ての作品がいくつかのポケットフォルダーに収められており、こちらのブースで観覧できるよう用意しました。早速準備中にも関わらず、写真好きの方が作品を観にいらっしゃいました。
出店者が準備できる時間は約1時間。車から品物を持ち運んだり、並べたりしていると時間は刻々と過ぎ、あっという間に軽トラ市の開催時間になりました。
<遂に本番>
まちづくり委員会T会長の言葉で軽トラ市が三郷町で至るまでの経緯を軽く説明され、軽トラ市が開始されました。
T会長の後には可知市長も登場され、衰退している農業の大切さに触れたご挨拶をしていただきました。
左下:三郷町まちづくり委員会T会長 右下:可知市長
三郷町では大々的な農業はこれといって行われていませんが、大抵の方は畑や田んぼを持っており、自身やご家族・お知り合いが作られる新鮮で美味しい野菜や穀物が毎日食卓に上がっています。そして地域や近所付き合いがある方は野菜のおすそ分けを頂く機会が多く、スーパーが近くになくても食べ物に困るということを滅多に耳にしません。
また、お米の単価が下落したため田んぼの維持費・お米の生産コストが赤字にしかなりませんが、まだこの地域は本業と農業の二つのわらじを履く元気な方がいらっしゃいます。ご先祖から譲り受けた大切な土地を守るため、家庭への圧迫は承知でお米を作り続けています。この辺はお水がとても美味しいこともあり、お米やお野菜はお世辞抜きで美味しいのです。
出店者は37件あり、大半が大半が町内の方々でした。天気が不安定にもかかわらず、お客様が次々と会場に現れて頂き本当に嬉しかったです。
当初みさとこども園に設定されるはずだったミニ新幹線は、水たまりが少ない消防館の方へ移動されました。小さいながらも、近くで見ると迫力が結構あります。
乗車券は店舗に行って商品を購入すれば子供たちに渡せる仕組みとなっていました。お金がなくとも子供たちには自動的に無料でお渡ししました。子供達はもちろん乗って喜んでいただけましたが、最初は恥じらいが少々あった大人も子供に劣らないほどミニ新幹線に乗って楽しんでいただけました。
下:事務局による手作り乗車券。ちなみに改札鋏(かいさつきょう)はオークションで入手した手の込みようが何ともすごい。
<スライドショー:出店者>
<スライドショー:フォトコンテスト入賞授賞式>
軽トラ市では今年度のフォトコンテスト入賞授賞式も行われました。会場へは受賞者9名が来て下さり、賞金や副賞のお米などを手一杯頂く様子は微笑ましかったです。三郷町三郷町の素敵な場所を写真に撮っていただきありがとうございました。これからもお気に入りの場所や新発見な景観などありましたら是非フォトコンテストに応募してください。
下:体育館内のフォトコンテスト展示場にて。沢山の方が興味を持って眺めていました。
<1日の変化>
朝から11頃までは天気がくすぶっていましたが、お昼頃から雲が動き始め、終了時間(3時ごろ)には空は青くなっていました!(もう1日雨が上がるのが早ければ…と思わずにいられません)
客足は11時半をピークに徐々に薄れ始め、13時半には新しい方がほとんど来なくなっていました。出店者の方々の中には完売されたところもあり、終了時間の3時近くになると次々と片付けては会場を後にされました。何もないグラウンドを後で見渡し、無数の車のタイヤの跡がなければ「本当にここで軽トラ市があったのか?」というほどの静けさが戻りました。
<軽トラ市が持つ可能性>
家族用にしか作らない農作物を軽トラ市で商品化する
商業が少ない三郷では商売することに慣れていない方が多くいらっしゃいますが、軽トラ市という比較的敷居が低く、気軽に出店できる場所ならばあまり気負いせず試売りすることができます。手応えがあればもっと商品の数を増やしてみたり、お客様の反応を見ながら商売の形式を進化させることもできるはずです。通常は家族用にしか作っていなかった農作物が軽トラ市のようなイベントを開催することにより商品化が可能になります。また、一つの畑で生産できる量が少なくても、同じ町民だと顔見知りが多いので少しずつ集め一つのお店として出店し、それぞれ出品者の売上額を後で換算する仕組みも可能になります。規模の小さな農業+商いが一環の流れとなる、この地域には生活の新しい選択肢が現れてきます。
昨年行われた景観まちづくりワークショップで再確認できた三郷の田園風景の美しさは先祖代々受け継がれている田畑を整備し、農作物を作り続けている努力があるからこそ形になり、四季を通し三郷を訪れる人々の感性を豊かにしています。山や川、田畑が荒れてしまうと、三郷本来の緩やかな景観の良さが消えてしまいことを町民の方は言葉にせずとも実感しています。軽トラ市で「野菜を買ってくれるお客様がいるから野菜を作ろう、作り続けよう」という需要と思いが定着すれば田畑が放棄されるスピードが少しでも鈍化したり、減少できるのではないかと願ってしまいます。
趣味から商売へ
野菜と似た様なケースですが、出店者の中には手作りクラフトやアクセサリー、陶芸に木工作品、そして焼き菓子やおはぎなどをとても上手に製作される方々がいます。もしかしたら他のクラフトフェアなどに出展されている方もみえるかもしれませんが、普段は趣味として製作をプライベートに楽しまれている方が結構いらっしゃいます。皆さん隠れアーティストなのです。そんな方々にとって軽トラ市は自分の作品を他の人に見てもらったり評価してもらえる、絶好の場所となります。お店を出してみたい方も、まずは軽トラ市に出店することで初期費用を抑えることができ、自分の技術を試すことも一つの手段かと思います。
新たな交流の場
会場を何週かまわっていると、「やっとかめやねぇ」(久しぶりだね)といったような再会を喜ぶ声を沢山耳にしました。また、新城市の軽トラ市のように最初は初対面の出店者・お客様でも何回か出店するうちに顔見知りになれる前例があるので、三郷町の軽トラ市も少しずつ町内外の出店者が増え、顔見知りがそれなりに増えていけば最高の交流の場になれる可能性を秘めています。
また、前回まで開催されていたごへだ祭りはJRのさわやかウォークに参加された町外の方が多くお客様として来ていただきましたが、まちづくりや自治会関係者以外の町民にはあまり寄りついていただけませんでした。その反面、軽トラ市では町内から出店したいと希望された方が多く、実際に開催されるまで各所で軽トラ市について談話されているのを耳にしました。いつの間にか軽トラ市が注目のローカルトピックとなり、少なからずも町が新たな形で活性したのです。お客様もお子様からシニア世代の方まで年齢層幅広く町内外から来場して頂けたので、存続していけば将来的に町を代表するイベントになれる可能性が見えてきました。
そして何よりも嬉しかったのが、「次はいつやるの?」や「最低1年に2,3回はやってもらいたい」といったような軽トラ市の開催に前向きな言葉を頂けたことです。これから今年の軽トラ市の反省会が行われます。その時に主催側や出店者の思いをきちんとくみ取り、次回のことを良い方向に決めていければ今年やった甲斐があったと安堵できると同時に、次回に向けて新たな意気込みが生まれることを願います。
このように、軽トラ市の可能性はいくつもありました。
<とても頼もしい縁の下の力持ち>
悪天候とマラソン大会が同日に重なってしまいましたが、軽トラ市の開催は出店者の皆様、三郷町自治連合会、交通安全協会三郷支部、三郷DE軽トラ市実行委員会、まちづくり委員会のスタッフの皆様のご協力により行うことができました。本当に皆様のおかげです、ありがとうございました! やってみて、できました軽トラ市!!
<メディア>
中日新聞東濃版2015年11月16日に記事が掲載されました(記事をクリックすると拡大します)
<課題>
- 外と館内の情報連携
- 駐車場
- 子供用の商品・食品を増やす
- 託児所?
- ライブエンターテイメント
- 会場の参加者みんなでフォトコンテスト投票・授賞式
- テーマを決める…etc.