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2016年02月05日 10:02

こんにゃくの行方

皆様こんにちは、三郷町ふるさと活性化協力隊のmeganeです。

近頃徐々に日が伸びてきています。朝起床するときに暗かったはずの景色に日差しが混じっていたり、帰宅時にまだ夕焼けが残っていたりするのを見るとちょっと嬉しくなります。

 

灰汁をついに使用

昨年末にあんじゃないの家で作った灰汁をどうにか活用したいと思っていた矢先、友人がこんにゃく芋を入手したので、早速灰汁を使用したこんにゃく作りにチャレンジしてみました。前回まちづくりのイベントで行ったこんにゃく作りの際はほとんどカメラマンや裏方として動いていたので、あまりきちんとこんにゃく作りに専念できませんでした。よって今回が本当のこんにゃく作り体験となりました。

 

山なのに海

友人宅は三郷町の南側に隣接している山岡町にあります。現在山岡では寒天作りが最も盛んな時期であり、彼女のお宅に到着した際も、旦那さんが寒天の元となる海藻・天草のいらなくなった部分を肥やしとして沢山畑にまいていました。その時は磯の香りが辺り一面に広がり、山の中にいるのに海の匂いがする、なんとも不思議な感覚を覚えました。

下:寒天作りの風景。 

2016年1月24日 中日新聞 「厳寒の山里に磯の香り漂う 恵那で寒天作り最盛期」 参照

 

チャレンジ開始

さて、こんにゃく作りに戻ります。今回はお芋を約2キロ用意していただきました。一つはとても大きく、中身が赤くてビックリです。前回のお芋はそんな色一つもしていませんでしたが、とりあえず害はないだろうという独自の判断の元、作業に取り掛かりました。そして芋の土を洗い落としている時に、なぜかこんにゃく芋と一緒に大きな里芋がいくつか紛れ込んでいて、危うく里芋まで混ぜるところでした!皆さんはこんにゃく芋と里芋を見分けることはできますか?

 

前回のように、こんにゃく芋を皮ごとぶつ切りにして煮立ったお湯に入れ、竹串がすっと通るまで茹でます。手袋をはめ、取り出したお芋の皮をスルッと剥き、そしてレシピ通りの分量の水を何回かに分けながら、ミキサーで芋と水をつぶし混ぜ合わせます。そのあとに、レシピ通りの灰汁の量を芋糊に混ぜ込みます。灰汁を混ぜはじめた瞬間、芋糊の色が少し紫がかり、こんにゃく独特の匂いがしてきました。この状態で最低1時間半寝かします。

下:灰汁を芋糊に入れる場面

ここまでは順調に、きれいな芋糊ができていて順風満帆のように思えました… が、そう何でもかんでも上手くコトが運んでいたら、味気のないブログになってしまいます。この辺りからこんにゃく作りの成功への歯車が少しずつ狂い始めたのです。

 

私の友人たちは灰汁が本当に使えるのかどうか、ちゃんと作れているのか最初から半信半疑でした。私自身も初めて灰汁を作ったため、「大丈夫だよ」と強気で言える自信は一切ありません。必ず「きっと」とか「多分」という頼りない言葉が語尾についていました。万が一に備えて、保険として精製ソーダのかわりになる貝殻焼成カルシウムというものを予備の擬涸剤として入手しました。

お芋を最初から半分に分け、最初は灰汁でこんにゃく芋をつくり、残りはこの貝殻焼成カルシウムを使いました。

 

するとどうでしょう!?

貝殻焼成カルシウムを擬涸剤として使ったら、どうもお芋の赤色の成分と化学反応を起こしてしまい、芋糊は赤を通り越して茶色くなってしまったのです!この時点で皆、何かがおかしいと感づき始めました。でも、とりあえずこちらの芋糊も1時間半ほどねかしてみました。

下: 左が灰汁、右が貝殻焼成カルシウムを使用した芋糊。

約2時間後、待ち時間中に昼食を食べ、遂にこんにゃくをかたどって茹でる作業に取り掛かりました。芋糊を手に載せた瞬間、とてもやわらかいことに不安を覚えながら、おそるおそる茹っているお湯の中にこんにゃくを入れていきます。

 

最初は何事もなく、グツグツという音と共にこんにゃくは踊っているのですが、次第に形がゆるくなりはじめ、10分を経過すると形が崩れ始めました。何度試しても崩れてしまいます。終いにはほとんどお湯に溶けてしまいました。こんにゃくが消えてしまったのです!

 

悔しかったので、茶色い芋糊でもチャレンジしてみました。こちらの方は幾分形が残りましたが、とても毒々しい赤茶色をしており、切って中まで火が通っているか確認すると、黄色でした。なんともトロピカルで怪しげなこんにゃくの出来上がりです。味見をしてみたところ、硫黄臭いのと苦みが強烈で皆のお口には残念ながらあいませんでした。なぜだろう…?(写真はあまりの醜さで気持ち悪くなる方が出るかもしれないので、載せることを止めましたことをご了承ください。でも少しだけ赤い色が右下の写真で見れます)

赤い芋糊は諦め、再度最初の芋糊に灰汁を足し、時間を置いてからまた茹でてみましたが、やはり結果は変わりませんでした。

 

最終的には「葛湯みたいにしてみれば?」と半分開き直って丸く形成せず、おたまですくった芋糊を直接お湯の中に流し入れましたが、そううまくいくわけがありません。変なブツブツとした奇妙な液体ができてしまいました。皆、この時点で疲れ果ててギブアップ。

 

今回はこんにゃく作り、大失敗です。1日かけて楽しみにしていた分、とても残念でした。

 

追憶

片付けをしている時、あまった芋糊を畑に捨てるのはもったいない!と思ってしまい、白と赤の芋糊を一袋分ずつ家に持ち帰りました。そしてそれぞれに灰汁を今までの4、5倍足してかき混ぜ、一晩寝かせてから再度形成して茹でてみました。もうここまできたら執念です。

 

すると、食べれるこんにゃくができたのです! 

やはり灰汁がとてもゆるかったようです。

こんにゃく作りのイベントの時に比べると触感はまだやわらかいですが、普通に美味しく頂けました。

何事もチャレンジ、諦めてはいけないですね。

 

 

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